■学校

野球部監督であるピンに、龍が挨拶をする。

ピンが龍に励ましのメッセージ。

ピン
「夏休みの大学セレクション頑張れ
　…お前、吉田と付き合ってるのか？
　あの色気の全く無い吉田と…」

龍
「や、そんなことないっす！」

ピン
「手出したのか？！」

龍は何も答えず挨拶だけして、
部室の荷物をまとめて帰っていく

帰る途中、龍を待っていた
風早と出会う

風速
「龍、部活お疲れ様」

風早は3年間頑張ってきた龍を労う

龍
「夏休みは、アニキの家に泊まる
　千鶴は【行ってらっしゃい】
　って言ってくれた…」

龍はアニキの子供に会えるのを
楽しみにしている様子

風早の顔をじっと見る龍

今までは自分の事で
精一杯だった龍

今になって風早と一緒に
野球をしている姿が思い浮かぶ

龍
「俺は大学でも野球やるよ
　翔太ともいつか…

　なんでもいいから、
　また野球やれたいいな」

風早
「うん」

その時、風早の携帯が鳴る
電話は千鶴からだった

千鶴
「サプライズ！！

　で、龍にお疲れ会やろうかと
　思ってんの！

　龍んちで！

　食べ物もおにぎりいっぱい用意したし、
　てかもう龍ん家でスタンバって…」

龍が電話に代わる

龍
「全部聞こえてんだけど～
　あちがとな！！」

千鶴はバレた事にショック

風早
「今、皆しいからさ、
　こういう事は早めに連絡しよう」

少し追い打ちをかけた風早だった

龍の家で待っている千鶴

そこへ塾が休講になった
爽子とあやねもやってくる

突然の呼び出し＆勉強で忙しいが
出てきてくれたあやね

千鶴
「文句いいつつも来てくれて、
　それに爽子は呼んでくれて
　ありがとう！」

あやね
「それはともかく…
　良かったね！ちづ！」

千鶴
「あたしずっと徹が好きだったのにさ、
　あっという間に龍が好きだとか言って、
　龍は不安じゃないのかな」

爽子
「ちづちゃんは、真田くんの事、
　ずっとずっと大好きなんだと
　思ってたよ～」

あやね
「なんなら、徹兄ちゃんより
　長そうだよね」

１人落ち着かず、恥ずかしがる千鶴
テンションが上がり更に龍の事を話す

千鶴
「将来結婚…家族になろう
　って言われた…///」

１人で勢い良く話す千鶴
それを適当になだめるあやね

そんな２人を嬉しそうに
見つめている爽子

爽子
（なんか、こういうの久しぶり～

　あやねちゃんもちづちゃんも
　気を遣わず好きな事言って

　にこにこしてて嬉しい）

３人は仲良くなったばかりの頃も
こんな事があったのを思い出す

その事を思い出し笑い逢う3人

落ち着きを取り戻した千鶴

千鶴
「不思議だよね
　あんなに離れるの嫌がってて

　でも…龍の帰る場所に
　なろうって思ったらさ

　なんかすっきりしちゃって
　たった４年だもんね！

　今までずっと一緒にいたんだもん！！
　龍はどこ行ったって龍だもんね」


そう答える千鶴を見ている爽子

爽子
（２人（龍と千鶴）は、不安があっても
　大丈夫と思える絆があって…

　今そう言えるようになるまで、
　どれだけ相手とも自分とも
　いっぱい向き合ってきたんだ…
　
　私は…）

千鶴が爽子に言う

千鶴
「風早が言っていた事言いたいけど、
　風早に確認とってから教えるね」

それは何なのか、気になる爽子

その時、龍と風早がやってくる
風早が爽子の隣に座る

爽子
（自分は無意識に逃げていたんだ

　風早くんと離れるなんて
　考えるのも怖くて、…

　教育大に興味あったのに
　見ないふりをしていたんだ）

お疲れ会が始まる
テンションが高い千鶴

千鶴
「コーラが飲みたいな～
　風早、買って来てくれない？」
　自分も一緒に行くからさ！！」

爽子に声をかける千鶴

千鶴
「さっきの話、バッチリ
　許可とってくるから！」

外に出た千鶴が風早に尋ねる

千鶴
「この前の全校応援の時の事さ
　爽子に言っていい？」

そこへ２人の事が気になった
爽子がやってくる

爽子の姿を見た千鶴は
風早が許可する前に言う

千鶴
「全校応援の時！

　【離れても心から爽子の事
　　応援できんの？】って聞ーたら

　風早は【なめんなよ！】だってー！！」

そう言い残し部屋へ帰っていく千鶴
爽子と風早がその場に残される

その時、爽子が風早と2人でいる時、
風早がどんな気持ちでいたのか考える

爽子は、ずっと普通の振りをしていたが、
本当は普通じゃなかった事を謝る

爽子
「ごめんなさい、風早くん
　
　私と離れるつもりでいたんだって…
　平気なんだなって…

　そうじゃないのに…
　言わせちゃったのに…」

謝る爽子の手を握る風早

風早
「ちがうよ、俺が焦った
　いーから、謝んなくていー…」

風早を見つめる爽子
そしてよく考える

爽子
（私にとって教育大が…

　本当に必要なのか、
　そうじゃないのか、

　しっかりと自分と向き合おう

　その上で、風早くんと同じ
　大学目指すなら、それでいいんだ…

　もし考えて教育大を選んだら…
　その時は私から…

　この手を離す事になる…）