マギ ネタバレ 305話
【2年前～シンドリア王国沖 南海 海上】

シンドバッド
「アラジン、一緒に世界を良くしよう
　君も俺のマギになってくれ」

アラジン
「断るよ」

アルバ白瑛
「あらあら」

シンドバッド
「アラジン…君だけは
　俺に心を開いてくれなかったな

　シンドリア王国のマギになってくれと
　俺が誘った時からずっと…」

アラジン
「そんなことないよ
　おじさんの事は好きだよ

　ただ僕は、おじさんが
　これからやろうとしている事には
　賛成出来ない」

シンドバッド
「なぜだ？アラジン、

　君は今のこの不完全な世界を
　救いたいとは思わないのか？

　戦争、貧困、奴隷、暴君、
　一度よくなっても

　賢明な王が倒れた後は
　同じ事の繰り返し…

　君も世界中で見ただろう！？

　だがこの連鎖を止める事ができる…
　ソロモンの知恵で聖宮へ行けば」

アラジン
「そこで何をするつもりだい？」

シンドバッド
「ルフシステムの根本を
　書き換えるんだ！

　そうすればいかなる不幸も
　降りかかる事のない
　永久に幸せな世界を作れる

　やる価値があると思わないか！？
　アラジン！」

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アラジン
「…おじさん…
　ごまかさないでおくれよ

　根本を書き換えるって誰がだい？
　おじさんがだよね」

シンドバッド
「…？」

アラジン
「つまりおじさんはこういう事を
　しようとしているんだよ

　おじさんが良いと思う事を、
　世界中の皆に未来永劫やらせる

　そしておじさんが悪いと思う事は
　永久にやらせない」

シンドバッド
「…ああ…
　それのどこが悪いんだ！？」



症状を歪めるアラジン
口元が笑っているアルバ白瑛

アラジン
「おじさん…
　僕はおじさん一人の価値観で、

　世界中の人達を永遠に
　縛っていいとは思えないんだよ
　
　いつか、おじさんが死んだ後の
　世界の人達は…

　その時代に何が良くて悪いのか、
　自分達で決めていいはずだ」

シンドバッド
「だめだ」

アラジン
「なぜ？」

シンドバッド
「俺だけに運命の流れが見えるからだ
　生まれた時から見えていた…

　物事がどんな方向へ進むのか、
　体でわかるんだ

　俺以外は持ち得ない力だ
　だから、俺が導くべきなんだ

　力を持って生まれた者は
　責任を果たすべきだ

　アラジン、君もマギとして
　そう生きてきたのではないのか！？

　その意味で俺は君を
　尊敬しているんだよ！」

アラジン
「！！」



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アラジン
「…運命はただそこにある
　誰かが脚本を書いて操って

　いいものじゃないん
　じゃないかな？」

シンドバッド
「…」

アラジン
「かつてイルイラーが
　その手綱を握っていた

　ソロモン王がその手綱を奪い取り、
　バラバラにした」

シンドバッド
「そうだ、ソロモン王は無責任だった！
　今の世界を見ろ！

　誰も手綱を握らない世界は、
　憎しみと戦争の繰り返しで
　ボロボロじゃないか！！」

アラジン
「！！」

シンドバッド
「唯一の指導者は必要だ！
　ソロモン王は責任を放棄した！
　俺は逃げない！！」



アラジン
「おじさん…おじさんは
　世界一凄いのかもしれないよ

　それでも、おじさんが間違わないと
　どうして言えるのさ？

　おじさんの身に不幸が
　降りかかった事はないのかい？」

シンドバッド
「それはあった
　だが俺にはわかった、必然だと

　奴隷にされた事もあった
　国を滅ぼされた事も
　国民を殺された事も

　しかし全ては
　必要な事だったんだ

　今の、この平和な世界を
　創り上げるために」

アラジン
「違うよ」

シンドバッド
「ではなんだ？」

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アラジン
「それはおじさんが
　失敗した結果だよ

　おじさんでも間違える事が
　あったんだよ」

アラジンの言葉に
唇を噛みしめるシンドバッド

アラジン
「でも当たり前じゃないか！

　おじさんだって
　普通の人間なんだから！

　おじさん一人で背負わなくても
　いいんだよ！

　間違って、苦しんで、
　他の人達に助けてもらって、

　皆で前に進んでいけば
　いいじゃないか！」

シンドバッド
「俺は、そうは思わない」



アラジン
「…だから、僕はおじさんに
　力は貸せないんだ」

アラジンがその場から逃げていく

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アラジンが逃げた後、
船の上で話すアルバ白瑛と
シンドバッド

シンドバッド
「アラジンが父親と同様に
　責任から逃げるような
　器だったとは残念だよ

　だが、彼の力は必要だ
　気が変わるのを待つさ」

アルバ白瑛
「逃がしても良いのですか？」

シンドバッド
「逃げられる場所など
　どこにもないさ」

アルバ白瑛
「そうですね…」

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【煌帝国 洛昌】

街の上空を浮いているアルバ白瑛



アルバ白瑛
「シンドバッド様は甘いわ

　今すぐにアラジンの精神を
　乗っ取ってでも、ソロモンの知恵を
　手に入れるべきなのよ

　アラジンは白龍の元に留まり
　この宮殿にいたはず…

　…逃げた？でも一体どこへ
　逃げられるというの？」

ニヤッとするアルバ白瑛

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【煌帝国船】

海を移動している煌帝国船

傷ついてアラジンが船の中で
治療を受けている



アラジン
「白瑛さんは…
　もう白瑛さんじゃなかったよ…
　白龍くん…」

白龍
「玉艶が戻ってきた
　紅炎が言った通りになった

　今度は姉上の体を
　乗っ取ったとでもいうのか！？

　今はアルバと呼ぶべきか…」

モルジアナ
「アルバとシンドバッドさんが
　アラジンを狙っている！？

　シンドバッドさんが
　全てを決める世界を作るために！？」

白龍
「アラジン殿を殺してでも
　ソロモンの知恵を手に入れようと
　するはずだ」



モルジアナ
「絶対にさせません」

白龍
「その通りです」

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その時、海に浮かんでいるアルバ白瑛が
煌帝国船を魔法で攻撃してくる

白龍
「もう見つかったのか！」

すぐにザガンの力で海中の植物を操り、
アラジンとモルジアナを船から逃す白龍



そこへ現れるアルバ白瑛

アルバ白瑛
「白龍」

白龍
「！」

アルバ白煙
「アラジンをどこへ隠したの？
　怒らないから言いなさい」

白龍
「玉艶…今度こそ…貴様を倒す！」

ザガンを魔装した白龍が
アルバ白瑛と激突していく



マギ ネタバレ 306話へ続く