トリコ ネタバレ 373話
『GODの示す場所』

--------------------------------------

煽り
「ブランチと愛丸が目指すのは！？」

ワープキッチンを発動したブランチが
愛丸を抱えながら飛んでいる

ブランチ
「この方向でええんやな愛丸！？
　お！？」

愛丸の顔に何かが浮かび上がる

愛丸
「…ああ…見える…見えるぞ…
　粘菌が示す場所が…」

ブランチ
「！？お前…どないしてん
　まさか…グルメ細胞の悪魔か？」

愛丸
「フフ…滑稽だよな…

　粗食を謳うグルメ騎士（ナイト）の
　リーダーに実は強力な【食欲】が
　潜んでいたなんて…

　メンバーには言えねーかも」

ブランチ
「ワシ等からしたら逆に…
　グルメ騎士にも親近感
　わいてくるけどな…」

愛丸
「オレがもともとGODに興味があり
　その捕獲をトリコと競っていたのも

　結局は【食欲（こいつ）】の
　せいだったんだ…

　グルメ粘菌が示す方角も…
　つまりは食欲（こいつ）が
　行きたい場所…」

ブランチ
「…」

愛丸
「アカシアのフルコースを食べて…
　
　目を醒ました食欲（こいつ）自身が
　オレに教えてくれた…

　太古の昔ブルーニトロによって
　もたらされたグルメ細胞

　その隕石が落下した場所こそが…
　グルメ細胞発祥の地【エリア0】



　地球内部でグルメ細胞は
　この場所から増殖し、旨みが噴火する
　【始まりの大地】を生み出した

　やがてその巨大な大地は
　アカシアのフルコースごとに7つに散り

　何十億年という時間の大陸移動を経て
　今の分布になったんだ

　アカシアのフルコース
　それぞれの頭文字をつづると

　【P】air　（ペア）スープ
　【A】nother（アナザ）魚料理
　【N】ews （ニュース）肉料理
　【G】od　（ゴッド）メイン
　【A】ir　（エア）サラダ
　【E】arth（アース）デザート
　【A】tom （アトム）ドリンク

　【パンゲア】という文字になる

　パンゲアとは7つに分かれる前の
　巨大な大陸の名

　アカシアのフルコースを
　食べる事によって導かれる
　かつての巨大大陸の【中心部】

　その奥深くに万物の命をも生み出し
　グルメ界をも創造したフルコースの前菜
　【センター】があるってわけだ」

ブランチ
「お前のグルメ粘菌が
　GODを差し置いて示した場所

　センターこそ最も重要な
　食材やって事か」

愛丸
「かつてアカシアが
　グルメ戦争を止めるために
　権力者にふるまった【GOD】

　GODを食べた者はおのずと
　【エリア0】に導かれる…

　命を生み出す食材センターのある
　【エリア0】が…

　【GOD（神）】が示した【その場所】が…
　もしも【最果ての地】だとしたら…

　オレ達はもはや食欲（それ）に
　抗う術はないのかもしれない…

　この目で確かめねば…
　この【エリア1】の中心部に…

　粘菌が示すその先に…
　【エリア0】への入口がある！！」

その先に何かの影を見るブランチ

ブランチ
「！！待て…待て待て…
　おいおい…こいつは…」

愛丸
「？どーしたブランチ」

その時、愛丸も気付き目を見開く

ブランチ
「な…なんじゃあ
　こりゃあああーっ！！」

現れたのは【竜王デロウス】



だが竜王デロウスは
2人に見向きもせず
GODの方角へと向かって行く

ブランチ
「りゅ…りゅっ…竜王！！
　デロウス！！！！
　あの方向は……まさか…」

愛丸
「集結しようとしているのか…
　地球最強の生物【八王】が…！！」

--------------------------------------

【エリア2～NEOの基地～】

三虎のメテオスパイスの余波で
あちこちから煙が上がっている

ジョアの洗脳から解けて
目を覚ますアッポロ

アッポロ
「…うう…」

ザウス
「大丈夫か、アッポロ！！」

鉄平
「よかった！
　ジョアの菌の作用が解けたぞ」

その時、近くの梅が叫ぶ

梅
「ありました鉄平さん！！
　金の調理器具です！！」

冷蔵庫のような扉を開く
中にはたくさんの金の調理器具



ザウス
「こ…こんなに…」

鉄平
「見ろ、缶詰もあるぞ…」

梅
「この素材って…」

アッポロ
「それは…
　【グルメマテリアル】だ」

鉄平
「グルメマテリアル？」

アッポロ
「ああ、【旨み】で出来た
　朽ちる事のない金色の素材

　この船の主要機関にも
　使われている

　私が宇宙料理（みせ）を
　やっていた頃、

　偶然宇宙で見つけてた
　物質（もの）だが…

　すでにジョアは大量に
　この素材を持っていた…

　【最果ての地】へ向かうための
　準備としてな…」

梅
「この素材…どこかで…

　そうか…！ブルーニトロが
　扱っていた器具（やつ）だ！

　ブルーニトロはこの素材で
　出来た調理器具で

　アカシアのフルコースを
　調理していました！！」

鉄平
「やはり…」

ザウス
「これでアカシアの
　フルコースを…」

梅
「あ…あの…鉄平さん、ボク…
　ボク行きます！！GODの元へ！！」



鉄平
「え？」

梅
「日食は始まってGODが現れて…
　そこで皆が闘っているのかと思うと…
　ビクビクしてる自分が情けなくて…

　この素材に触れてると
　不思議と勇気がわいてきます

　今まで黙っていましたが…
　ボクには皆さんには
　見えない物が見えます…」

鉄平
「！」

梅
「この力が一体何なのか…

　GODが現れてこの力の正体が
　分かった気がするんです！！

　これはきっと料理に使う
　力だと…！！」

ザウス
（食運か…この子にも…）

梅
「お願いです鉄平さん！！
　ボクをGODの元へ
　連れて行って下さい！！」

鉄平
「…」

鉄平
（…確かに白髪になる程、
　怯えていた子が…

　きもっ玉がすわった
　一流の料理人の目に…）

鉄平
「金の素材…

　こういうモノがどうやって
　生まれたのか知らないが…

　オレには到底再生できない
　素材だな…
　
　そして…中梅くんの
　その【勇気】も…

　オレには再生できないものだ…！！
　行こう！GODの元へ！！」

梅
「鉄平さん！！」

ザウス
「鉄平、しかし…」

鉄平
「オレが生きてきたグルメ時代には…
　調理したいという料理人を
　止める理由は見当たらない」

--------------------------------------

その時、ウーメンが現れる

ウーメン
「そのグルメ時代は
　もう既に終わったのよ」



一同
「！！」

鉄平
「ウーメン事務局長！！」

ウーメン
「困るのよねー
　こうも計画を狂わされちゃうと…」

ザウス
「ウーメン梅田…意外に武闘派だ
　ここは私達が引き受ける」

鉄平
「ザウス」

ザウス
「場外戦はまかせて
　メインのリング上に
　上がって来い鉄平！！」

鉄平
「ありがとうよ、ザウス！！」
　【裏のチャンネル（ワープロード）】」

梅
「ザウスさん！！アッポロさん！！
　待ってて下さいね！！」

アッポロ
「GODを調理してやりな！
　中梅くん！！」

梅
「はい！！行ってきます！！」

--------------------------------------

【アカシア vs トリコ】

アカシアの前で膝をつくトリコ
冷や汗をかいているトリコ



アカシア
「どうしたトリコ…
　まだたったの【1秒】しか
　経っていないぞ…」

トリコ
「はぁ…はぁ…」

アカシア
「フルコースの肉料理…
　ニュースは食べたようだが

　それにより発動できる
　【裏のチャンネル】を…
　理解してるか？トリコ

　本来グルメ細胞の【細胞分裂】は
　光の速度を越える

　ニュースを食べると
　そのスピードが蘇るわけだ

　この細胞分裂を駆使する事で
　自分の周りだけまるで時間が

　止まったような空間を
　作り出せるんだが
　このスピードには個人差がある

　私はこの分裂スピードを
　最大限に引き上げ

　限りなく圧縮した時空を
　作り出せる…

　今、外で経過した1秒は
　この空間だと…
　1ヶ月の体感時間だ

　つまりお前は1ヶ月間ずっと
　ネオに至近距離で品定めされて
　いたことになる…

　どんな攻撃も飲み込んじまう
　ネオの暗黒の食欲はどうだった？」

顔を上げるトリコ
その顔には焦りの色が

アカシア
「フフ、そうだ…
　いい顔になってきたぞトリコ…

　さぁ聞かせてくれ…
　お前の悲鳴を…

　充分わかったはずだ…
　絶対に逃れられない…
　ドブ川のような自分の運命が…」

トリコ
「ああ…わかったよ…
　充分わかった…

　ネオ…お前にはもともと
　何の恨みもねェが

　【絶対にやっつけてやるぜ！！】
　ってことがよくわかった！！」

アカシア
「…は？」

トリコ
「1ヶ月間ずっと…」

赤鬼
「待て、トリコ」

トリコ
「品定めしていたのは…
　オレの方だ…！！」

トリコがアカシアの肩にかぶりつく



赤鬼
「おいおい…」

青鬼
「ひゃー食べやがった！！」

そのまま肉を噛みちぎっていく

トリコ
「ネオ！！なぜかって？

　なぜ恨みもねェお前を
　やっつけるのかって…！？

　【食うため】だ！！

　お前の中に今にも噴火しそうな
　旨みを見つけた…！！

　ネオお前は…オレの
　フルコースの肉料理にする！！」

青鬼
「楽しくなってきた♡」

煽り
「食いたい！！それだけ！！」

トリコ ネタバレ 374話へ続く