銀魂 ネタバレ 591話
『血と魂』

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【朧回想】

煽り
「学舎の名は…」

松の下で語る二人

虚
「松下村塾
　今は私と君、2人しかいませんが

　いずれこの松の下にたくさんの仲間が
　たくさんの弟弟子が

　集まってくれるといいですね」

朧
「弟弟子？」

虚
「ええ、奈落では一番の若輩でしたが
　これからは君が一番の兄弟子です
　私も君もしっかりしなきゃね」

朧
「は…はい
　弟弟子か楽しみですね」

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森の中にいる奈落達が
虚の捜索を続けている
その様子を崖上から見下ろす朧

朧
（逃げきれない
　いくら先生でも俺を連れていたら）

朧の後ろには木に凭れて寝ている虚

朧
（何より…）

少し前の事を思い出す朧

朧
【先生これは…】

木に縄が括られている

虚
【追手を足止めするための罠です
　決して殺すために使ってはいけませんよ

　そんな事を教えるために
　君を弟子にしたんじゃない

　大丈夫、君は私が護りますから】

寝ている虚の側に置いてある
虚の刀を見つめる朧

朧
（誰も殺さないで…
　逃げ切るなんて…）

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朧が虚を捜している奈落達の前に現れる
朧の腹には刀が刺さっており血を流している

奈落
「！！お前は頭の小将の…」

倒れる朧

奈落
「オイ！！何があった！！
　しっかりしろ！！」

奈落に抱き起こされる朧
息を切らしながら応える

朧
「頭の…逃亡に協力した
　でも…追手の数をしると…
　足手纏いだと…切り捨てられて」

奈落
「奴はどこへいった！！」

朧
「…」

朧が森の奥を指差す
だがその時、別の奈落が言う

奈落
「…待て、確かにこれは頭の剣だ
　だがだとしたら
　何故お前は生きている」

そう言い朧の刀を抜く奈落

奈落
「あの頭が一度殺そうとした相手を
　お前のような童（わっぱ）を
　殺し損ねるか」

朧を見下ろす奈落達が
一斉に錫杖を突きつける

その様子を崖上から
目を見開き見ている虚

朧
「…殺し損ねたんじゃない
　殺さなかったんだ
　もう先生は誰も殺さない」

助けてもらった時の事を思い出す

朧
「誰も殺させない」

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朧が懐から短剣を出し
虚が仕掛けていた罠のロープへ投げつける

ロープが切れ崖上から
いくつもの岩が落ちて来る



朧
（先生、申し訳ありません
　約束を破ってしまって）

必死の形相で朧の元へ走る虚

朧
（あの時、先生に命を拾ってもらった時から
　この命はなきものと先生のために
　捨てようと決めておりました

　先生の志くらい護れねば
　まだ見ぬ弟弟子達くらい護れねば

　一番弟子とは言えないでしょ）

朧の上にも岩が落ちてくる
手を伸ばす虚

岩が朧諸共奈落達へと落ちる
岩も粉々になる

朧
（先生きっと我等の学舎を）

奈落
「何事だ！！」

奈落
「九番隊が落石で…！！」

立ち尽くしていた虚が俯く

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朧ナレ
（先生（あのひと）は
　私が死んだと思っていたようだが

　私の中に巡る不死（あのひと）の血は
　生きて忠を尽くし続けろと私に言った）

全身包帯姿で治療されている朧

朧ナレ
（裏切りを帳消しした私は奈落に拾われ
　その中で根を張り奈落（やつら）の爪を

　先生（あのひと）からそらし
　遠避ける事に尽力した

　地位を固め組織を動かしやすくするため
　あの人の教えに反し、その手を
　血に染める事も厭わなかった）

次々と人を殺めていく奈落姿の朧

朧ナレ
（たとえ、その隣にいられずともよい
　あの人をあの人の志を護れるならば
　そう思っていた）

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町民の格好をした朧が
ある屋敷を見つめている

その屋敷から出て来る人影
笠を深くし顔を隠す朧

その人影は笑顔の虚、
そして朧が歩いていた

目を見開く朧
だがそれは朧がみた幻

屋敷から出て来たのは
虚とその周りに銀時、高杉、桂



高杉を揶揄う銀時
キレる高杉を止める桂
その様子を笑顔で見ている虚の姿

暗い表情で俯く朧

朧ナレ
（そう思っていた、はずだった）



燃える屋敷を虚ろな目で見つめる朧

奈落が松陽を連れて行く
奈落に止められている銀時の姿

朧ナレ
（私もお前達と同じ）

【回想終了】

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高杉と朧のシーンに戻る
倒れたままの高杉

朧
（師をとり戻すために師を殺した
　あの人を捕えさせたのは私だ

　それでもとり戻せると思っていた
　それでも帰ってきてくれると信じていた）

背景には銀時が松陽の首をはねるシーン

そして燃やされる松陽から
復活する虚を他の奈落の兵達と見上げる朧

朧ナレ
（私もお前も同じだ
　己の弱さゆえに師を失った
　ただ一つ違ったのは

　一人は誓った

　たとえそれが師の屍を
　まとった別の虚（モノ）でも

　もう二度とあの人を裏切りはしないと）

背景には虚の前に跪く朧の姿

首と肩の境に刺さったままの刀を抜く朧
倒れたままの高杉の元へ行こうとするまた子
そのまた子を止める武市

目を見開くまた子の視線の先には
自身に刺さったままの刀を抜き
立ち上がる高杉の姿

高杉に刺さっていた刀は、
首ではなく頬に突き刺さっていた



朧ナレ
（たとえ、もう一度師を
　殺める事になっても

　永久に師を失う場になっても
　師をとり戻すと

　同じ師を持った時から
　我等はこうなる運命（さだめ）だった

　俺は師からもらった
　この血を流し尽くすまで

　お前の前に立ちはだかるぞ）

大量の血を流す朧、
僅かに頬から血を流す高杉

朧ナレ
（ならばお前も戦え
　師からもらった
　その魂が朽ち果てるまで）

背景には高杉と松陽の思い出

朧ナレ
（抗い続けろ、それが吉田松陽の
　弟子（オレたち）だろう）

刀を構えて走り出す高杉、朧

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【回想】

牢の中で正座をする松陽
3人の奈落がやって来る

奈落
「出ろ、時間だ」

牢を出る際、すれ違った奈落に
遺言を頼む松陽

松陽
「遺言を頼めますか」

その奈落は朧だった

松陽
「私の弟子に

　君のおかげで私は
　あの子達に出会う事ができた

　君のおかげで私は
　吉田松陽になる事ができた

　ありがとう
　そして…すまなかった

　できる事なら会わせてやりたかった
　あの子達と…私の自慢の一番弟子を」



立ち止まり俯く朧
他の2人の奈落が松陽を連れていく

【回想終了】

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切り合った高杉と朧

松下村塾の前で銀時達と
すれ違った時の事を思い出す朧

朧
（とくと見ました、先生
　自慢の弟弟子達を）

立ったままの高杉と
血を噴き出しながら倒れる朧



煽り
「共に、歩んだかもしれなかった道」

銀魂 ネタバレ 592話へ続く