メジャーセカンド ネタバレ 56話
『卜部の過去』

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【学校】

煽り
「眉村兄弟との練習を
　終えた大吾だが…？」

大吾のクラスは水泳の授業中
（佐倉もスク水）

プールの壁際に立ち
考えている大吾の姿

佐倉
「ちょっとなーに？
　もしかして茂野くん、
　まだ落ち込んでんの！？」

大吾
「は？いや別に、何が？」

急に踊り出す大吾

佐倉
「えっと…ちょっと分かんない
　どーせ昨日の事でしょ？」

大吾
「え…あ…うん、そりゃあね…

　結局、眉村兄弟は日没までオレに
　20～30球も投げてくれたけど…

　最後の方でやっと2,3球かすっただけで
　手も足も出なかったからさ

　玉数投げてもらえば、もう少し
　対応出来るかと思ったのに…

　どうにもならなかった」

佐倉
「ハハ…しょうがないよ、
　眉村さん、凄かったもん

　あの女性（ひと）かっこいいよね～

　並み居る男共をバッタバッタと
　斬ってとるなんて！」



大吾
「あい？そっち目線？

　まぁでもこれで、俺レベルじゃ
　打ちに行っても無駄って事は
　はっきりした

　攻略は無理だけど対策はできる」

佐倉
「え！？」

大吾
「バントさ
　俺が塁に出てチャンスを作るには
　それを極めるしかない」

佐倉
「極める…！？」

大吾
「うん、その練習するには
　バッティングピッチャーが必要だ」

佐倉
「バッセンじゃダメなの？」

大吾
「もうお小遣いないよ」

佐倉
「あたし投げよっか」

大吾
「いや…スピードもコントロールも
　ある人じゃないと…」

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【放課後】　

大吾と佐倉が訪れたのは
三船市立東原小学校



大吾はト部にお願いしに来ていた
だが卜部は既に心が折れていた

卜部
「控え投手ならバッピ頼んでも
　いいだろってか！？

　ハハハ、いよいよ
　舐められたもんだな、俺も！
　
　くだらねえ、勝手にやってろよ
　ドルフィンズやめる俺には
　関係ねーんだよ｣

卜部は大吾達を置いて
去って行ってしまう

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そこへアンディがやってくる

アンディも前に卜部に言ったが
聞く耳持たずだった様子

アンディが大吾達と歩きながら
卜部の過去を話し始める

アンディ
「もともと体が弱かったト部は
　親父さんの勧めで野球を始めた

　ト部の親父さんは昔、甲子園に
　行ったくらいの野球経験者で

　マンツーマンで低学年から
　ト部を厳しく育てた

　体も強くなり、野球技術も磨いたト部は
　希望に満ちて東斗ボーイズに入団した

　そこに現れたのが眉村だ



　眉村はプロ選手の2世だったが
　入団まで野球はほぼ未経験だった

　初めこそおぼつかなかったが
　2,3ヶ月もすると

　眉村はすぐに頭角を現した
　抜群の運動神経と吸引力で…

　左利きという事もあり
　監督からピッチャーを勧められ…

　4年生の秋頃には、
　あっという間に卜部を抜いて
　同期のエース格になったんだ」

大吾
「…（汗」

佐倉
「そ…それって…」

アンディ
「そう、眉村は今回の佐藤と同じだ
　卜部はまたプロ選手の2世に
　エースを奪われたんだ」

大吾＆佐倉
「…」

アンディ
「卜部が当初、茂野達に
　きつく当たってたのも
　それが原因だ

　一般人が小さい頃から親父と
　積み上げてきた努力の結晶を…

　プロの遺伝子はいとも簡単に
　追い抜いていく…

　まぁ、そうでもない2世も
　若干名いるが」

大吾
「アハハー言ったねー
　言っちゃったね、それ！」

佐倉
「…（汗」



アンディ
「そんな中で目標にしてきた
　東斗戦の選抜を外され、
　心が折れちまった

　やめる事はないだろうって
　言ったんだが…

　モチベーション失った自分がいても
　足を引っ張るだけだろうってな…」

大吾
「…」

その頃、ト部は公園のベンチで
ボォーっと時間を潰していた



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【ト部家】

ト部
「ただいま～」

卜部母
「隼人、お友達来てるわよ」

卜部の部屋で待たせているという

それとユニフォームは間違って
ごみ箱に落ちてたと思ったのか、
ト部ハハが洗濯し直したと言う

卜部が慌てて部屋に駆け込むと、
大吾が武勇伝を読んでいる

ト部
「説得しても無駄だ、帰れ！」

大吾
「サッとくなんてしなよ」

大吾が何か封筒を出す
それを見て驚くト部

ト部
「！！え…！？」

大吾が出した封筒は
たくさんの退部届だった



大吾
「卜部が辞めるんなら、
　皆で辞める事にしたから

　卜部抜きじゃ勝てないからね

　アンディも佐倉さんも
　やる気なくしたってさ」

卜部
「はあーっ！？」

大吾
「明日これ、一緒に
　監督のとこ持って行こう
　東斗戦は棄権かな」

卜部
「バ…バカかおまえら！」

煽り
「本心では少しも諦めちゃいない
　荒療治で卜部の退団を
　阻止できるのか大吾！？」

メジャーセカンド ネタバレ 56話へ続く