ニセコイ ネタバレ 222話
『ニセモノ』

扉絵
「幼少期の楽、千棘、小野寺、
　万里花、鶫、羽が丘でピクニック」

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【回想】

丘で約束をしている楽、小野寺

小野寺
「ザクシャインラブ（愛を永遠に）…

　あなたは【錠】を、私は【鍵】を
　肌身離さずずっと大切に持っていよう

　…いつか私達が大きくなって再会したら
　この【鍵】でその中の物を取り出すから
　そしたら―…」

楽
「うん！結婚しよう…！」

万里花が楽の所へやってくる

万里花
「らっく～ん！
　帰る前にウチと写真
　とっちくれっちゃ～！」

楽
「おーいいぞ～！」

それを離れた所から見ていた千棘
目を伏せて家に戻っていく

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【千棘家】

千棘も帰国する準備をしている
部屋でリュックに荷物をつめる千棘

千棘
「あ」

小野寺に返そうとした
絵本の最後のページを手にする

千棘
「…返すの…忘れてた

千棘
（…いいや…もう…
　きっともう会う事もないと思う）

千棘が鍵を日記に挟んで閉じる



千棘
（らくとこさきちゃんなら
　きっと幸せになってくれるはずだから
　だから…）

そして絵本の最後のページは
クローゼットの中に入れる

【回想終了】

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【小野寺サイド】

小野寺がクローゼットの中で
絵本の最後のページを見つける



小野寺
「…このページ」

絵本の最後のページを抱きかかえ
その場に座り込む小野寺

小野寺
「…千棘ちゃん…千棘ちゃん
　千棘ちゃん…！」

目に涙を浮かべる小野寺

小野寺
「…千棘ちゃんは10年前も
　同じ事をしてたんだ

　私…そんな事も忘れて…
　…優しすぎるよ…バカァ…」

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【千棘サイド】

岩に掘られた楽と小野寺の
相合傘を目にしている千棘

千棘
「…なんだ…違うじゃん」

その場にうずくまる千棘

千棘
（私じゃないじゃん）

千棘
「う…う…」

千棘
（心のどこかで期待してた…
　諦めたつもりで

　覚悟してたつもりで
　本当はこんなにすがってた

　2人は…10年前もお互いが好きで
　今も…ずっと…）



千棘
「…やっぱり…私じゃないじゃん…
　…違うじゃん！私じゃないじゃん…！！

　こんなの…小咲ちゃんしかいないじゃん…！
　私…私は…！うっ…あっ…ああ…あぁん…」

千棘
（やっぱりニセモノじゃん…
　ニセモノじゃん…）

号泣する千棘



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【小野寺サイド】

小野寺
（千棘ちゃんがここへ来たのは…

　この事を思い出したからなのかな
　思い出したいからなのかな

　もし…思い出したのなら…

　ダメだよ私…！
　また譲って貰うつもりなの…？
　違うでしょ…！？）

小野寺が立ち上がり屋敷を飛び出す

小野寺
（会って話さなきゃ…！

　千棘ちゃんだけが
　傷ついてお別れなんて
　そんなの許さないから…！！

　同じ人を好きになる

　それはきっと誰も傷つかないのなんて
　無理なんだろうけど…

　でも傷つくなら…
　一緒に傷つきたいんだよ…！
　一緒に苦しみたいんだよ…！）

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【千棘サイド】

岩の横でひとしきり泣いた千棘は
立ち上がり、その場を後にする

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【鶫サイド】

激しい戦いを繰り広げる鶇、クロード
辺りは爆弾により火の海になっている



クロード
「…どうした誠士郎
　大口を叩いた割にその程度か」

鶇
「…くっ…」

鶫
（分かっていた事だが…
　やはり…強い…！！）

クロード
「もう1度言うぞ、
　お前に戦闘を教えたのは誰だ？

　私はお前に決して敵わぬ相手に
　無謀な勝負を挑めと教えたか？

　どうしてあんな男にそこまで拘る

　私にはそうまでしてあのガキを
　会わせる価値があるとは到底思えん

　それでお嬢が更に
　深く傷つく事になったらどうする？

　立ち直ることもできない程に…」

鶇
「傷付くなら思いきり
　傷付けば良いのです」

クロード
「！？」

鶇
「たとえどんなに深く
　傷付き落ち込んでも…

　お嬢なら必ずまた立ち上がり、
　いつもの笑顔を見せて下さる

　私はそう信じています…！」

クロード
「…果たしてそう言い切れるか
　お前にも分かるだろう

　お嬢にはその優しさの反面、
　脆く…弱い面がある事を…

　今もあの男から逃げているのが
　その証拠…！

　そのお嬢が…本当に深刻に
　傷付かないとどうして言える…！？

　心に一生癒えぬ傷が残ってしまったら
　貴様、責任が取れるというのか…！？」

鶇
「…私はただ、お嬢の【強さ】を
　信じているだけですよ

　クロード様の見ている物が
　常に正しいとは限らない

　お嬢も…一条楽も…そして私も…」

クロード
「フン！！

　そこまで言うのなら証明して見せろ！！
　正義を語れるのは常に勝者だけだ！！

　貴様が私に勝てないのなら
　それはただの妄想に過ぎん！！」

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手榴弾を2つ投げるクロード

クロードが手榴弾を1つ打ち抜く
鶫の近くで爆発させる

だが鶫は爆発から距離をとるように躱す
着地点にはもう1つの手榴弾が転がっている

鶇
「！！」



鶫
（逃げ…！いや、弾き返す方が早い…！！）

向かってくるクロードめがけ
手榴弾を蹴る鶇

だがクロードは手榴弾をキャッチして
鶫に突っ込んでくる

鶫
「！？」

鶇
（爆発しない！？ダミー…！！）

鶫がクロードに蹴られ
仰向けに倒れてしまう

クロードが倒れた鶇の上から
銃を突き付ける

クロード
「チェックメイトだ、誠士郎」

鶇
「…ええ…どうやらそのようです…」

その時、クロードの腕に巻き付く鎖

クロード
「！？」

鶫の腕の袖から鎖が出ていた

クロード
（仕込みの鎖…！？）

鎖を思いきり引く鶇
その場に倒れるクロード

俯せに倒れたクロードに
銃を突き付ける鶇



鶫
「チェックメイトです、
　クロード様」

クロード
「…私は教えていないぞ
　そんなもの(鎖分銅)など…」

鶇
「ええ、だから言ったでしょう？

　クロード様の見ている物が
　常に正しいとは限らない

　お嬢も…一条楽も…そして私も」

煽り
「師を越えて…」

ニセコイ ネタバレ 223話へ続く