キングダム ネタバレ 485話
『蒙恬の報せ』

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西の丘の砦化を進めている信達
そこへ蒙恬、楽華隊がやってくる

蒙恬
「おーい」

男
「あ、けっこー久しぶりだな
　蒙恬！と楽華隊！」

蒙恬
「よーっス」

丘の上で酒の席を設ける信達

蒙恬
「ッハハ、では慶舎を討って
　最大武功をあげて

　その後、同士討ちの禁を犯して
　武功帳消しになった信に乾杯」

信
「ォ オウ（汗」

蒙恬
「だけど慶舎討ち取りの
　報が来た時は驚いたなー

　完全にこりゃ信が将軍に
　なっちまったーって思ったよ」

信
「俺もだ」

蒙恬
「そしたら翌日内輪もめで
　桓騎兵殺しちまったーって聞いて
　あ、こりゃ昇格消えたなーって」

信
「ま、実際死人出したのは
　キョウカイなんだけどな（汗」

キョウカイ
「忘れた」

蒙恬
「…フッ、その愚直さが
　揺るがないのはさすがだよ信」

信
「フッ、うるせェよ」

コップを合わせ乾杯する

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信
「ところでお前こんな所まで
　何しに来たんだ蒙恬」

蒙恬
「あ、そーだそーだ、現場引き継ぎだ

　この西の丘、飛信隊の持ち場は
　全て楽華隊が引き取ることになった

　お前達はもう帰っていいよ」

信
「なっ、何！？」

蒙恬
「はいこれ、本営からの辞令」

信
「わ！投げるな！」

渕
「しっ、しかし砦はまだ
　完成してないのに…」

蒙恬
「やっとくやっとく
　ついでに不細工なとこ
　可憐に仕上げとく」

信
「ぬっ、ふざけんな！
　砦化はそう簡単じゃねェんだよ！
　設計とかもテンはすげェ苦労して」

テン
「いや、蒙恬の方がオレより
　きっと上手いよ

　築城・砦化の成績悪くて
　オレ先生に言われたもん

　そっちの才能は卒業生第一号の
　蒙恬の半分以下だって」

信
「何っ！？半分以下！？」

蒙恬
「ハハ、そうなの？」

信
「まさかテンの砦化が下手くそなんで
　現場交代なんじゃ」

テン
「え（汗」



蒙恬
「フフ、冗談だよ
　この砦もそう悪くない

　総司令の温情だと思って
　素直にうけとれよ

　【休む】のは隊にとって
　大切なことでもあるんだから」

テン
「！」

信
「あ！？別に休みなんていらねェし
　疲れてねェし」

飛信隊メンバー
「うっ、信…」

蒙恬
「お前が疲れてなくても
　下が疲れてんの」

飛信隊メンバー
「そーだ！そーだ！」

信
「なっ！？てめェら！！」

尾平
「はー。いい加減帰って
　東美ちゃんのおっぱいに吸いつきたい」

昂
「生々しいよ尾平さん」

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蒙恬
「お前も本当は桓騎将軍と揉めて
　けっこう思う所あっただろ

　一度家に帰ってしっかり休んで
　気分転換でもしろ」

信
「いらねーよ
　つか気分転換って何すんだよ
　帰ってもやることねーし…」

蒙恬
「…ん…んー…例えば…
　…そうだな…まー…」

お茶をすする信

信
「…」

蒙恬
「あ、【お見合い】とか？」

信
「ブー！！」

テン
「ゴフ！」

信がお茶をキョウカイに噴きかける
テンがお茶で咳き込む



キョウカイが信を殴る
動揺しながら言う信

信
「おっお おっ お見合い─！！
　ってあの けっけっ けけっ
　結婚相手を探すってやつか！？」

蒙恬
「…何その反応」

信
「俺が…結婚……（汗
　はァー！？」

蒙恬
「いやいや別にそんなに
　驚く事じゃないだろ

　お前もう二十二だろ

　たしかオレの一コ下だから
　全然ふつーだよ結婚とか」

少し汗をかいているテンと、
顔が見えないキョウカイ



信
「はっ、そういうお前だって
　結婚とかしてねェじゃねェかよ
　一コ上なのに」

蒙恬
「あ、俺？俺はまだいいの

　名家の長男だから
　相手はじっくり見つけないと

　その間城々のお姉様方と
　甘美な夜を…」

背後で涙を流すじい

じい
「蒙恬様！
　名家だからこそ早く落ち着き
　一日も早くお世継ぎをっ！」

蒙恬
「は、いやつまり…（汗
　今みたいに戦以外の事で
　心沸き立つことも大切だよと」

信
「別に沸いてねェよ！」

蒙恬
「…いや、かなり沸いてたぞ信」

信
「いや、やっぱ今前線を離れて
　帰路につくわけにはいかねェ

　黒羊取られて趙がこのまま
　だまってるはずがねェんだ

　楽華隊には遠出して来てもらって悪ィが
　昌平君にそう伝えてくれ」

ショックを受ける飛信隊

尾平
「うっ…東美ちゃんのおっぱい」

信
「お前はだまってろ」

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蒙恬
「…フー…フフ、たく…
　じゃーマジメな話を一つしてやる」

信
「！」

蒙恬
「秦軍が黒羊を取ってから
　秦国に牙をむこうとしてるのは
　趙だけじゃない」

飛信隊
「！？」

蒙恬
「媧燐が軍総司令となっている楚は今、
　対秦国境へ続々と軍を送り配備している

　これに対し大将軍、
　蒙武も大軍を率いて南部前線に
　へばりつく形となった

　一方　魏も　第一将の呉鳳明が
　前線都市 修に入り
　奢雍奪還を狙う動きを見せている

　故にもう一人の大将軍
　騰も奢雍から身動きがとれぬ状態だ

　韓・斉・燕も中華の均衡を
　崩さんとしている秦に対して

　水面下で謀り事を進めていると
　密偵が伝えている」



テン
「！」

渕
「六国全てが…対秦の動きを…」

蒙恬
「これはあくまで俺個人の予測だが
　恐らく次の戦はかなり大きくなる」

信
「！だったらなおさら！」

蒙恬
「違う、だから今休むんだ」

信
「！？」

蒙恬
「次が大戦なら敵国も
　秦もそれなりの準備期間にはいる

　だから総司令（昌平君）は
　今しっかり休んで

　傷ついた飛信隊の【回復】と…
　【進化】をはかれと言ってるんだ」

テン
「！」

信
「！」

去亥
「【回復】と…」

信
「【進化】！？」

キョウカイ
「…」

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何か思い至る事がある様子のテン

テン
「…黒羊戦を通して飛信隊の弱点と…
　改善していくべき所が
　幾つかあると気づいた」

渕
「！？」

テン
「攻めはともかくうちの守備力は
　やっぱり決して高くない

　戦が大きく長くなるほど
　これは致命的な弱点となる

　他にもキョウカイ隊との連携や
　弓隊という飛び道具も手に入れたい

　つまり…時間をかけて【練れば】
　まだまだ飛信隊は強くなれる」

その言葉に驚く飛信隊の面々

信
「【進化】…」



蒙恬
「霊凰・慶舎、大物食いしてる飛信隊…
　そのお前達にかかる本営の期待は
　もはや決して小さくはないぞ、信」

目を閉じる信

信
「…フー…しょうがねェ…
　んじゃ、強くなるために
　久しぶりに帰るとするか」

丘全体から喜びの声が上がる

飛信隊
「ウォォ！！娘に会えるぞォ！！
　俺は嫁を抱きまくるー！！

　男、作ってなきゃいーな
　ギャハハハ」

信
「…でも何かやべェ事があったら
　すぐ知らせろよ蒙恬
　俺ら飛んでくるからな」

蒙恬
「ハハ、了解
　でも今から大変なのは
　うちらじゃなくて文官達だよ」

信
「文官！？」

蒙恬
「次が大戦になるなら
　そこまでの【準備】が
　戦の勝敗を大きく左右される

　国をあげての軍力補強・整備と
　表・裏の外交の仕掛け

　始まろうとしてるのは
　【文官の戦い】だ

　いや、もう始まってるかな」

信
「文官の戦い…

　って事は丞相の昌文君らが
　主役ってことか…

　大丈夫かテン？（汗」

テン
「だ…大丈夫、先生も丞相だし」

蒙恬
「というわけでとりあえず
　上や文官達の働きを期待しつつ俺達は
　【次】に備えるぞって事だ」

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ナレーション
「蒙恬の言葉通り

　この時すでに列国の計略・謀略の手が
　水面下で複雑にうごめいていた

　そして秦から東、
　遠く離れた趙と斉の国境付近

　【香】という小さな
　城邑（じょうゆう）では

　咸陽の目を盗んで、
　全く予想外の三人の大物が
　密談の席につこうとしていた」

扉を開けて入って来たのは蔡沢

【秦国最高外交官 蔡沢】

蔡沢
「おお、すまぬな

　一番に来るつもりじゃったが
　ヒョッヒョ

　まー年寄り故、許されよ
　趙国【宰相】李牧殿」



【趙国三大天兼宰相 李牧】

李牧
「…いえ」

更に馬車が到着する音がする

蔡沢
「おお、早くも【発起人】が
　着かれたようじゃ」

李牧
「…発起人はあなたかと」

蔡沢
「ヒョッヒョ、さすが鋭いな
　じゃがまーこの際そこはどうでもよい
　李牧殿とこの方が会うのは二度目かな？」

扉を開いて入って来たのは蛇の頭を齧る男

【斉王 王建王】

斉王
「その通りだ」

険しい表情の李牧

李牧
「…」

斉王
「合従軍前夜以来よのォ、李牧」



煽り
「秦・趙・斉、蔡沢が謀った
　中華驚愕の三国密談！！

　斉王をも招聘した
　会談の内容とは！？」

キングダム ネタバレ 486話へ続く