マギ ネタバレ 318話
『理事会の応酬』

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【国際同盟本部】

煽り
「シンドバットを機軸とした、
　国際政治の舞台
　各国の思惑が、交錯する…！！」

ナレーション
「金属器保管の目的ゆえに、
　天山山脈の陸の孤島に作られた施設

　飛空艇無しに人は
　立ち入る事ができない

　この場に同盟各国の要人が集い、
　世界のあり方を決めているのである」

紅玉、夏黃文、他文官が
飛空艇から降り立つ
紅玉を見守る夏黃文達

夏黃文
（陛下…頑張って下さい！）

紅玉
（心配しないで
　今日、私は私のやるべき事を
　やり遂げるわ）

紅玉が建物の中に入っていく

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【国際同盟 定例理事会】

1階と2階が繋がっている部屋
部屋の周囲にはモブの人々

2階の中央に理事長シンドバッド
その背後には常任理事（七海連合）の
メンバーが4人

ラメトト、
ダリオス・レオクセス、
ミラ・ディアノス・アルテミーナ、
アールマカン・アメン・ラー



紅玉もそこの空いている席に座る
常任理事（七海連合）練 紅玉

1階の中央真ん中にはムーの姿
レーム帝国代表：ムー・アレキウス

シンドバッド
「今回の議題も、レーム帝国の
　国際同盟入りについてです
　いかがかな?レーム代表」

ムー
「同盟入りは…承諾しかねます」



加盟国達
「またか…そもそも軍人である貴殿が
　なぜ交渉の場に？」

ムー
「私は現在は軍を退き、
　いち議員を務めておりますゆえ」

加盟国達
「そうですか

　よもや【ファリナス】を戦場や
　奴隷市場以外で目にするとは
　思わずにね

　レームは未だに軍隊と
　金属器を有している

　戦乱の時代のへの
　逆行が不安だ

　煌の再軍備の噂の時も
　不安でしたが」

人々の言葉にも薄目で笑みのムー

ムー
「…」

紅玉
「…」

シンドバット
「…このように世界は平和を
　望んでいるのです

　ぜひ、今日こそレーム帝国は
　加盟の決断を下して頂きたい！」

ムー
「レームは…一国の独自性を
　保ちたいのです」

加盟国達
「そんな小さなことを！
　大量破壊兵器を保有し何を企んでいる？

　世界同盟の運営負担金を払わず、
　貿易だけ出来るなど不公平だ！」

ムー
「その分、多額の関税を
　支払っております」

加盟国達
「やかましい！

　レームも軍隊と通貨を放棄し
　【国際同盟】に従うべきだ！

　我々と同様に！」

シンドバッド
「このままでは、【国際同盟】は
　レーム帝国に対し、致命的な
　経済制裁も辞しませんが？」

その言葉でムーが目を見開く
七海連合の一同が見ている

紅玉
「…！！」

紅玉が立ち上がる

紅玉
「議論の続きは来賓を交えて
　行いたいのですが？理事長」

同盟国達
「紅玉姫！？来賓？」

シンドバッド
「…どうぞ」

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その時、部屋の扉が開く
入って来たのは鬼倭国王

鬼倭国王
「いや～やっと俺の出番ぜよ！！」



驚く一同

一同
「鬼倭国王！？」

ラメトト
「！？」

微妙そうな顔のダリオス

アルテミーナ
「あら、野猿」

アールマカン
「行方知れずのはずでは？」

ムーの隣に座る鬼倭国王

鬼倭国王
「ダリオス、嫌そうな面やめんか！
　よう、久しいのう、シンドバット！
　俺は旅に出ちょったぞ！」

同盟国達
「旅！？」

鬼倭国王
「白龍も戻って来ちゅうぞ」

同盟国達
「練白龍も！？理事長！
　金属器を奪取した逃亡犯です
　両名の捕縛を」

紅玉
「いいえ、練白龍は裁かれません
　レームと同様、国際連盟の規定外であれば、
　金属器の所持は罪ではありません」

同盟国達
「き、規定外！？」

シンドバット
「どういう…ことですか？」

紅玉
「我々、煌帝国は…
　国際同盟を抜けます」



一同
「！？」

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紅玉が階段を降りて
ムー、鬼倭国王の隣に行く

同盟国達
「！？」

シンドバッドに言い放つ紅玉

紅玉
「この場を借りてお伝えします
　本日は煌の離脱の意を
　伝えに参りました」

同盟国達
「七海連合の一国が…
　り、離反…！？」

アールマカン＆アルテミーナ
「…」

シンドバッド
「煌の離脱その意味を、
　貴女は理解していますか？」

紅玉
「はい理解しております

　関税免除の恩恵も、
　負債返済の猶予を失う事も

　そして七海連合の後ろ盾ゆえに
　指摘を免れていた

　かつての侵略への贖罪に
　直面する事も」



シンドバッド
「何を…おっしゃりたいのですか？」

紅玉
「私は…受け継いだ国をどう導けばよいか、
　考えていました

　煌帝国がこのまま七海連合の末席として
　恩恵を受け続ける事はできます

　しかし、それでは胸を張れません

　自らの意思で法を整備し、
　過去に向き合い、生き方を模索したと、
　子孫に伝える事ができません」

同盟国達
「自らの…意思…？」

シンドバッド
「…」

紅玉
「そうです
　煌がこれから奴隷制を敷かない事も

　占領地への償いも、
　戦の火を起こさぬ決意も
　自らの意思

　国際同盟に命令されて
　渋々やった事にしたくない
　それは責任の放棄だと思うから」

同盟国達
「…！？」

同盟国達
（あれっ？この女王は…
　こんなに堂々としていただろうか？

　就任直後は卑屈そうに縮こまっていた、
　ただの娘だったのに…）

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以前言っていた言葉を思い返す紅玉

紅玉
【あの男が憎いわ！
　シンドバッドのせいで、

　煌の内戦の結末は
　めちゃくちゃ！】

紅玉がシンドバッドに言う

紅玉
「自分の国を誇らしいものに、
　私達の手でして行きたいのです！

　だから理事長、私は…
　私自らの意思で
　あなたを許したいのです

　煌の内戦は確かに
　あなたのおかげで終結しました

　あなたは誰にも実現出来なかった
　平和を作り上げた偉大な人です」

同盟国達の驚く表情
口元が微笑するムー

以前の仲が良かった時の
シンドバッドを思い返す紅玉

紅玉
「シンドバッド様…
　今の平和はあなたのおかげです
　ありがとう」

紅玉の感謝の言葉に
目を見開き驚くシンドバッド



煽り
「かつての屈辱と憎悪を、
　感謝の言葉に替え…
　紅玉、煌帝国の新たな決意！！」

マギ ネタバレ 319話へ続く