【研究所】

煽り
「島内のラボにて…
　【悲しみ】がまた生まれる…！？」

嘉納
「久しぶり、少し大人っぽくなったね」

クロナ
「ああ…本当に会いたかったよ…」

嘉納
「…で？なに？？」

クロナが服をはだけて、
お腹のナシロを見せる



嘉納
「？？」

クロナ
（いますぐ殺してやりたい
　でも今は…)

クロナ
「…シロを…ナシロを助けて」

嘉納
「…これまた…
　私に【死人】を救えと？ハハハ

　クロ、残念だが私は
　フランケンシュタイン博士
　じゃないんだよ」

クロナ
「死人…ッ…シロは…生きてるッ！
　呼吸も食事だってするんだ…
　それに声も…！！」

嘉納
「…【声】？」

クロナ
「…」

お腹に少し力を込めるクロナ

シロナ
「まああああああ」

嘉納
「ふむ…なるほど…
　そうかそうか
　そりゃ【屁】だ」

クロナ
「…へ？」

固まるクロナ

嘉納
「そう【屁】！

　穴から体内のガスが
　漏れだしているんだろう

　更に解説すれば
　【食事をする】という件

　これは単に君自身が穿孔部から
　食物を取り入れているだけだね

　そして再生中の腹部は顔に見えるのは
　心霊写真なんかでよくある
　【シミュラクラ現象】と同じだよ

　ただの模様の配置に
　意味を見出すなんて
　本当に愚かだねぇ、君は！

　シロを咀嚼した所で、
　そう都合よく彼女が

　生き永らえるわけが
　ないじゃないか」

そうヘラヘラと言い終えると
嘉納は興味を無くしたように
実験室を振り返る

嘉納
「それでどうする？
　シロはもう死んでるけど」

クロナ
「…じゃ、単純にぶっ殺す」

ビキビキと険しい表情になるクロナ

嘉納
「OK！」

ガコンとカプセルが開く

嘉納
「【私のQs】と過去の産物
　どちらが上かな？」

【Qs オカヒラ（元・一等捜査官）】



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【亜門 VS 滝澤】

滝澤
「救う…？だと？亜門さん
　随分、上から目線じゃないスか」

亜門
「ぐ…」

壁際にうずくまり
苦しんでいる亜門

滝澤が羽赫を撃ち込んでいく

滝澤
「どうやって救うってんだ？
　コソコソ逃げ回ってたアンタが…

　…いいですよ
　俺を救うってんなら…
　試してみろ

　アモンコウタロウ」



滝澤が亜門へと飛び出していく

滝澤が赫子で強化した右腕で
亜門に拳を放ってくる

だが亜門は躱す
滝澤の拳が壁を破壊する

亜門
（赫子の形成速度…
　俺とは比にならない…）



亜門が滝澤の攻撃を避ける
だが滝澤が亜門の背後に回り込み、
そのまま羽交い絞めにする

滝澤
「【喰種】はこうやるんだよ」

滝澤が背中から赫子を出して
自分の身体ごと亜門を赫子で貫く

亜門
「んぅ！！」



滝澤が亜門の傷口を抉るように、
赫子をぶんぶん振り回す

亜門
「ご あ」

滝澤
「オラオラオラ
　どースかどースか」

吐血する亜門を蹴り飛ばす滝澤

亜門
「ぐ…は…」

その場に倒れこむ亜門

滝澤
「弱すぎ、失敗作って
　オッサンが言ってた通りスね」

亜門
「【喰種】…か
　そうやって自分を
　ごまかし続けるか…」

滝澤
「あ？」

亜門
「お前は罪を犯した…
　殺した捜査官、喰らった一般人…
　許される事ではない…」

滝澤
「…」

亜門
「…だが…俺は知っている…
　お前の弱さも…強さも…」

背景にはあんていく戦で
【喰種捜査官だ】と叫び
クインケを構える滝澤の姿

亜門
「…お前は【喰種】じゃない…
　喰種捜査官だろう！！」

滝澤
「うるせえええええッッ！！！！！」



亜門に向かって行く滝澤
亜門の赫子化した右腕と
滝澤の赫子がぶつかり合う




亜門
「滝ッ澤アッッッ！！
　罪を犯したなら償うんだ…
　お前の力でッ！！」

滝澤
「死ねってか！！」

亜門
「違う！！
　【死】以外の方法でだ！！
　俺と──」

滝澤
「わかんねえよ！！
　そんなのッッッ！！」

滝澤の強烈な一撃で
吹っ飛ばされる亜門

滝澤
「フーッ…フーッ…」

背後に座り込んでいるアキラに
声をかける滝沢

滝澤
「【生きて償え】とよ
　真戸

　お前は【おとなしく死ね】
　だったな

　お前と亜門さん
　どっちが正しい？」

何も答えないアキラ

滝澤
「…ダンマリか」

次の瞬間、突然小さなナイフが
滝澤の左目に突き刺さる